紫陽花の毒で死亡する?葉の上のカタツムリは大丈夫なの?
梅雨の時期、うっとうしい気分を元気にしてくれる紫陽花。
雨に打たれても、色鮮やかに咲きほこる姿は凛とした美しさがあります。
こんな美しい紫陽花に毒があるって聞いたことありますか?
しかも食べると死亡する!なんて聞くと怖いですよね。
だったら…
「紫陽花の葉の上にいるカタツムリは大丈夫?」そんな疑問がわいてきました。
今回は、紫陽花の毒で死亡するのか?カタツムリは大丈夫なの?について紹介します。
猫や犬を飼っている人も必見ですよ。
目次
紫陽花の毒で死亡するのは本当なの?
紫陽花に毒があるのは本当なのでしょうか ?
「紫陽花に毒がある=中毒症状を起す」ことは確認されていますが、毒性成分はいまだ明らかにはされていません。
厚生労働省に報告された、京都薬大の調査によると、中国四川省産アジサイの葉部・茎部の成分検索を行った結果青酸配糖体という毒性成分が見つかっています。
しかし、京都産のアジサイの抽出物には含まれなかったことから、アジサイ、ガクアジサイ、アマチャなどの品種によって成分・含量にかなりの差があるとの見解に至っています。
では実際に、紫陽花の毒で中毒症状を発症した事例を紹介します。
2008年、茨城県つくば市の料理店で料理に添えられた紫陽花の葉を食べ、食後30分ほどで嘔吐、吐き気・めまいなどの中毒症状を起こしています。
同年大阪でも、飲食店でだし巻きの下に敷かれていた紫陽花の葉を食べ、40分後に嘔吐、顔面紅潮などの中毒症状を起こしています。
2009~2010年には、ガクアジサイの変種であるアマチャという植物の葉っぱを利用した「甘茶」を飲んだ小学生45/99人と、園児28/119人が嘔吐症状を訴えています。
幸い症状は重くなかったようで、数日で回復したそうです。
2011年、秋田県の仕出し弁当に添えられたアジサイが原因の食中毒が引き起こされました。
いずれも重篤までには至らずに2~3日以内に全回復しています。
厚生労働省では発生した食中毒を期に、毒性成分の再検討がされていますが、未だに判明されていないようです。
ここで気になるのが、紫陽花のどの部分に毒があるのか…ですよね。
紫陽花の毒はどの部分にあるの?
では、紫陽花の毒はどの部分にあるのでしょうか?
2008年に起こった食中毒の発症事例からもわかるように、紫陽花の毒は、蕾・葉・根にあります。
紫陽花の葉は一見すると大葉に似ています。
お刺身の盛り付けに季節感を出すため、大葉の代わりに紫陽花の葉を使われていたら間違って食べたりしないように!
多分、最近ではないと思うのですが…念のために^^;
では、一部の紫陽花で見つかった毒性成分の青酸配糖体ってあまり聞き慣れないですね。
どのようなものなのでしょうか?
紫陽花の毒の種類 青酸配糖体って?
紫陽花の毒性成分の青酸配糖体とは…
青酸配糖体は、糖に青酸が結合した物質のことを言い、主に植物のつぼみや葉、根に含まれている毒性成分です。
青酸が体内に入ると、呼吸困難やめまい、顔面紅潮などの中毒症状を起こします。
青酸配糖体が含まれるもので一番分かりやすいのが「青梅」です。
幼い頃「生の青梅は食べちゃだめ!」って、言われたことありませんか?
えっ?聞いたことない?!(ここで年齢がバレますね^^;)
私が幼い頃、梅の実の季節…6月頃。
収穫した青梅の甘酸っぱい香りに鼻を寄せて嗅いでいると…
「生の青梅は食べちゃだめだよ」って、言われてました。
これはごく微量ですが、梅の種や果肉に青酸配糖体が含まれているからなんです。
青酸配糖体は、特に幼い青梅の種に多く含まれています。
種に含まれる青酸配糖体は、なんと果肉の10~20倍!!
幼い青梅の種ってまだ柔らかいんですね。
だから、青酸配糖体が幼い種をガードしている・・・ってわけです。
梅の実が大きくなり種が固くなっていくと 青酸配糖体は分解され、人間にとって食べやすくなっていきます。
青酸配糖体は、漬けたり干したりすることでさらに分解が進むんですね。
そして、砂糖により無毒化するといわれています。
なので、梅酒や梅シロップ、干して漬け込む梅干しなどは理にかなった食べ方なんですよ。
先人の知恵恐るべし!ですね^^
つぎは、紫陽花の葉の上を這うカタツムリは大丈夫なのか…についてお伝えします。
紫陽花の毒!葉の上にいるカタツムリは大丈夫?
紫陽花の葉の上にいるカタツムリ。
紫陽花とカタツムリはまるでセットのように、イラストでは描かれていますね。
私も以前、紫陽花の葉の上をカタツムリが這っているのを見たことがあります。
夫や友人に訊いてみても、みんな声を揃えて「見たことがある」と。
でも毒があるとなれば、カタツムリは大丈夫なのか気になりますね。
結論から言うと、学説的ではないのですが、
紫陽花の葉の上にいるカタツムリは大丈夫です。
このままではスッキリしなかったので色々調べてみると、次のような説がありました。
紫陽花の毒 カタツムリは昆虫なので大丈夫?!
まず、カタツムリは昆虫で私たちヒトとは違う説。
カタツムリや昆虫は、
消化液が強いアルカリ性。
対してヒトなどの哺乳類は、
胃液が強い酸性です。
青酸配糖体は、毒性が現れるには酸性の条件にある場合。
もし、青酸配糖体がアジサイの毒性成分であるなら、胃液が酸性のヒトには毒であるが、消化液がアルカリ性のカタツムリには毒が毒ではない。
確かに、ヒトと昆虫では違いますからね。
この説では「カタツムリが紫陽花の葉を食べた場合」について理解できます。
つづいて、紫陽花の葉の上をカタツムリは這うけど葉は食べない説です。
紫陽花の毒 カタツムリは葉の上を這うけど葉は食べない?!
紫陽花の葉の上にいるカタツムリの、周辺の葉がボロボロになっている写真を見たことがありませんか?
まるで、カタツムリが葉を食べたかのように。
でもこの葉を食べた主は、ハバチ類の幼虫が食べたものであり、カタツムリが食べたわけではないのです。
なので、カタツムリは紫陽花の葉の上を這うけど葉は食べないということになります。
この2つの説明から、
- カタツムリは昆虫なので大丈夫
- カタツムリは紫陽花の葉の上を這うけど葉は食べない
ということになります。
では、猫や犬の場合はどうなのでしょうか?
紫陽花の毒を猫や犬が食べたらどうなる?
飼っている猫や犬が、間違って紫陽花の葉を食べてしまったら心配ですね。
猫や犬が間違って紫陽花の葉を食べたとしても、紫陽花の毒は急性毒なので、食べてから数時間以内に症状が出ていないのなら、まずは大丈夫と思っていいでしょう。
猫や犬など動物が食べたときは
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣
- 歩行時のふらつき
- 昏睡
- 呼吸麻痺
などの症状が出るようです。
庭に咲いている紫陽花を剪定して家に飾る場合、花器の水を猫や犬が間違って飲むかもしれないので気をつけましょうね。
それでは最後に、今回お伝えしてきたことをまとめておきましょう。
まとめ
今回は次の3つのことをお伝えしてきました。
1.紫陽花に毒があるのは本当 ?
・紫陽花に毒はあるが毒性成分は未だ明らかではない。
2.紫陽花の毒はどの部分にあるの?
・紫陽花の毒は葉の部分にあります。
3.紫陽花の葉の上にいるカタツムリは大丈夫?
- 紫陽花の葉の上にいるカタツムリは大丈夫です。
- ヒトなどの哺乳類の胃液は酸性で、カタツムリなど昆虫の消化液はアルカリ性。 青酸配糖体は、毒性が現れるには酸性の条件にある場合だから。
- カタツムリは紫陽花の葉は食べない。
いかがでしたか?
紫陽花に毒があるのは確かなようですが、毒による中毒症状が現れるのは葉を食べた場合です。
なので、庭に植えている紫陽花を剪定したり、お手入れすることには影響ないので安心してくださいね。
梅雨時のジメジメした気分は、紫陽花観賞で吹き飛ばしましょう♪
さいごに・・・
紫陽花に毒がある?…と一瞬ドキッとした内容でしたが、紫陽花には不思議なおまじないがあることをご存知でしょうか?
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